出版社の一室で開催された婚活イベント。
出版社の一室で開催された婚活イベント。

「秘密結社 主夫の友」が目指す夫婦のカタチ

 朝晩の空気がヒンヤリしだした10月最後の金曜日。都内の出版社「ポプラ社」の一室で行われた同イベントに集まったのは、20~30代を中心とした男女40名。女性陣は、“働き女子”らしく知的な雰囲気の人が多い。男性陣も、爽やかで誠実そうだ。職業も、会社員から公務員、自営業、大学教員、芸人、スポーツ選手など、バラエティー豊か。参加の理由も「男女関係なくのびのびと仕事か家庭かの選択を迫られることのない社会にしていきたいと思って興味を持った。多様な価値観を持つ人と仲良くなれれば」(34歳 会社員)「自分の周りには主夫になりたい男性はおらず、周りに“主夫志望を紹介して”と頼むと、ヒモ志望の人しかいないといわれる。本当に主夫になりたい男性がいることが信じられず、会ってみたいと思った」(34歳 団体職員)とさまざまだ。

 主催者は、現役主夫20名で構成される「秘密結社 主夫の友」。父親の育児参画を支援するNPO法人ファザーリング・ジャパンのプロジェクトとして、今年6月から本格的に活動をスタートした。CEOの堀込泰三さん(38歳)は、その理由をこう話す。

主夫の友メンバーと少子化ジャーナリストの白河桃子さん。
主夫の友メンバーと少子化ジャーナリストの白河桃子さん。

 「これまで主夫として発信はしてきたものの、どこか壁を感じていました。このままでは共感はもたれても、パラダイムシフトは起こらない。そう考えて、主夫5人でこの会を発足したんです」

 そして彼らは、こんな目標を掲げる。「“2020年までに女性管理職30%”にならい、男性の主夫を3割にする」。現在、達成を目指し、SNSや講演活動など、積極的な発信活動を行っている。モットーは、“志は真面目に、手段は柔らかに”。堀込さんの肩書きであるCEOも、いわゆる最高経営責任者ではなく、「ちょっとエグゼクティブなお父ちゃん」の略だという。懐かしの戦隊ものを思わせるネーミングもまたユニーク。メンバーは一人を除き、仕事を持つ“兼業主夫”だ。