働く女性がそれぞれの年代でやっておくこと

――働く女性がそれぞれの年代でやっておくべきことをアドバイスしてください。

関根 20代はまだ仕事のスタイルが確立されていませんから、分からないことは何でも聞いてみる。そして、先輩に素敵な人がいたら、その人の振る舞いを観察して真似をしてみる。なぜ素敵に見えるのか、それは頷き方なのか、手振り身振りなのか、関心をもつことが大事ですね。そして、いいなと思ったことは真似をしてみてください。

 30代は自分がやりたいことに必要な知識とスキルを習得するときです。私はBC向けのワークショップで「自分の長所を10書いてみましょう」という課題を出すのですが、書き出しているうちに自分の強みが見えてきて、「私はこういう人間です」と明快に自己紹介できるようになればシメタものです。30代は自分の強みを自覚するときでもあります。

――40代、50代は何をやっておけはいいでしょう。

関根 40代は仕事人生の折り返し地点。この仕事で何を成し遂げたいのか、この先の目標と計画を明確にしていく時期です。この年齢になって思うのは、自分の人生は自分でプロデュースするものだということです。この仕事を一生のものとするなら、どうプロデュースしていくのか、会社の中でどういう存在になりたいのか、それを考えるときですね。

 50代は管理職として会社に事業貢献できるときであり、決裁権を与えられて一番やりたいことができるときです。もちろん40代からこうした権限をもてる人もいるでしょうが、会社が持続的成長を遂げるために、中長期的な視点に立って人材育成に取り組むのもこの年代だと思います。

――もしタイムトラベルできるなら、いつの年代に戻りたいですか。

関根 そうですね、30代でしょうか。私の30代は仕事と子育てで手いっぱいでしたから、あの頃に今のような子育て支援の制度があれば、もう少し上手にタイムマネジメントできたのではないかという気がします。時間をうまく使って子どもと向き合ったり、自分投資の勉強に当てたりすることができたかな、と。今の時代は両立支援制度は整備されていますから、制度を活用しながら仕事も家庭生活も充実するためにどうしたらいいのか、それをプロデュースするのも自分の意思なのだと思います。