朝食は「ごはん」中心の食事で

 日比野先生自身、あらゆるダイエットに挑戦しては失敗してきた経験があり、なかでも「ごはんは全く食べない」という極端な糖質制限で倒れたことがあるそう。ごはん以外は好きなものを好きなだけ食べていい、と勘違いしている人が多いようで「極端に糖質を制限すると基礎代謝が落ちるだけでなく、脳が生命の危機を感じて飢餓状態と判断しエネルギーの消費を抑えようとします。また、エネルギーになる栄養素である脂肪やたんぱく質とのバランスも崩れ、内臓への負担も増えます。そのような食事の人は、腸内環境も悪い人が多いですね」と日比野先生。朝食を抜く、ごはんだけを食べない、という食生活は太りやすい体質へと変えるようだ。

 糖質の代表としてあげられる「ごはん」だが、日本人の腸には炭水化物をエサとする腸内細菌が多いという研究もあり、腸内環境を整えるのに役立つ。さらにごはんは米に水を吸わせて炊くので、お通じに必要な水分もとれる。粒のまま食べるため消化・吸収もゆっくりだ。日比野先生は「いかに食後の血糖値を上げないかが重要です。食べ方を工夫するだけでなく、食べて30分以降に運動することで効率よくエネルギーにすることができます」と言う。

 「ごはん」は、和洋中どんな料理にも合う食事のまとめ役的存在。「昔、日本で使われていた『氣』という漢字には米が入っています。元気、病気…いつもエネルギーの中心には米があります」と日比野先生。一日の始まりは、ごはんの朝食で一日3食、バランスよく食べよう。