■吹石一恵さんが「懐にすっと入ることのできる人」と言われる理由は?

 さて、福山雅治さんと入籍された吹石一恵さんの印象を、朝の情報番組『情報プレゼンター とくダネ!』(フジテレビ系列)で、笠井信輔アナウンサーが次のように語っておられました。

 「相手の懐にすっと入っていくことのできる人。福山雅治さんのことを“芸能人・福山雅治”として見ない、(ひとりの人間“福山雅治”さんとして)対応できる人だと思います」

 「懐に入る」というと、単純に「距離を縮める」こととイコールで結びつけてしまいがちですが、実はそうではありません。

 ズカズカと土足で相手の領域に踏み込んでいく無遠慮な人には、誰しも警戒心を抱くもの。

 相手との心理的な距離、つまり親しさの度合いを適切に見極め、許される物理的な距離をわきまえればこそ、相手のパーソナル・スペースをむやみに侵害することなく、節度ある付き合いかたが可能になるのです。

 また心地よい距離感は、相手のパーソナリティーや、互いの関係性はもちろん、そのときどきの状況に応じても変わるものです。一度密接距離まで近付けたから、その後もずっと許される、というものではありません。

 相手のパーソナル・スペースを尊重し、お互いの関係性や状況に応じて、4つの距離感(一般的な社会生活におけるコミュニケーションでは3つの距離感)を臨機応変に行き来する柔軟さが大切でしょう。

 これができてこそ「相手の懐にすっと入っていける」「誰かと生活をともにすることが難しそうなモテ男の“パーソナル・スペース”に入り得る」女性へ一歩近付けるのです。

■料理が上手でさえいれば「胃袋をつかむ」ことができる、ワケじゃない!

 また吹石一恵さんはお弁当を買ったことがないというほどの料理上手で「福山雅治さんの胃袋をつかんだ」とも報じられています。

 食卓をともにする、という行為自体が、表の(2)個人距離でのコミュニケーションにあたります。

 それとともに「食行動」というのは、いわば異物を体内に取り込む行為。

 手料理を振る舞う、振る舞われるというのは、相手の内に入っていく、相手を受け入れる、というコミュニケーションの最たるものである――筆者はそう考えます。当然、信頼関係が伴うことです。

 味の好みや料理の得手不得手よりも、むしろその点で「胃袋をつかむ」というのは大切なのではないかと、筆者は考えています。

 ただし「胃袋をつかむ」ことに関して、働き女子が誤解しがちなポイントがあります。それはまた別の機会にお伝えすることにしましょう。