【ハワイ】変わらぬアロハタワー、変わりゆくダウンタウン

常に変化し続けるハワイが見られる場所

　日系移民たちは、日本からの移民が禁止された後にアロハタワーの完成を見ることになりました。どんな気持ちだったのでしょう。太平洋戦争が始まり、この周辺から日本名のホテルやお店はどんどん姿を消していきました。歴史を知れば知るほど、アロハタワー周辺からはなんだか寂しい印象を受けます。このまま朽ち果てていくのではないか、と思ってしまうこともあります。ですが、それは日本人として歴史を見ているからでしょう。

　2015年7月現在、アロハタワー周辺は工事中です。私立大学のハワイ・パシフィック・ユニバーシティが数百万ドルを投じて再開発工事を進めているからで、計画では、1階部分を同大学のサポート用スペースに、2階部分を約300名が収容できる83戸の教職員用住宅や学生寮にするそうです。

　ハワイ・パシフィック・ユニバーシティは、1965年に創立された総合大学です。ハワイといえばハワイ大学が有名ですが、このハワイ・パシフィック・ユニバーシティは留学生を率先して受け入れており、急速に拡大中です。

　移民を受け入れていた港が、今は留学生を受け入れるエリアに変わろうとしています。のんびりしているように見えるハワイですが、 実はハワイは常に激しく変化し続けています。

ダウンタウンのお勧めスポット

　アロハタワーの辺りまで来たら、少し足を伸ばして、Bethel Streetをのぞいてみるのはいかがでしょうか。歩行者専用道路となっているFort Streetの西隣の道です。チャイナタウンの中心地は、夕方になるととっても静かになるのですが、この周辺はガヤガヤしています。

　この通りにある「JJ Dolan's」というお店は、外から見ても中へ入っても飲み屋にしか思えないのですが、ちゃんとしたピッツァが出てきます。どこから焼いたピッツァを搬入しているのか？と思ってしまいますが、一番奥の席に座ると、ピッツァを焼く専用の大きな窯が見えます。自分のところで焼いているのです。これはすごい店です。チャイナタウンは見てみたいけど中華料理は食べたくないぞ！という方はどうぞ。

「JJ Dolan's」というお店はどこから見ても飲み屋。だけど……

窯で焼いた、ちゃんとしたピッツァが出てきます

　もう一本西のNuanu Avenueに行くと、「Fresh Cafe」というお店があります。こちらは、現代ハワイの食文化が融合された飲み屋さんという感じでしょうか。店内にはレストラン、バー、カフェがあって、それぞれの空間でそれぞれの時間を楽しむことができるようになっています。

Nuanu Avenueにある「Fresh Cafe」というお店

　食事だけではありません。店内には独特の絵が飾られていて、それを見るのも楽しいです。絵のタッチはどこかで見たことがあるような、と思ったら、アーティストが集うエリア、カカアコエリアのウォールアートと同じ。お店のディレクターは、Pow！Wow！Hawaii！ （カカアコエリアのウォールアートを企画している団体）の関係者でした。

　チャイナタウン＝中華料理というのは、もう古い感覚なんですね。

Profile

田中しゅんすけ（たなか・しゅんすけ：へなしゅん）
1967年2月28日生まれ。福井県若狭出身、エセ関西人。交通事故や大病などで死にかけた経験6回。阪神大震災を期にインターネットの存在を知り、ハワイ情報サイトを立ち上げて、その勢いでハワイ上陸。ハワイで生活を続けるうちに日本の素晴らしさを再認識する。いつの間にか、ハワイ在住16年目。通称「へなしゅん」として活躍中。わざわざ会いにオフィスの扉を叩くコアなファンも多い。名物案内人として、ハワイ関連書籍を多数出版。日夜、ハワイの新たなる魅力解明のため、ハワイ諸島を東奔西走の日々を送っている。海賊のような黒眼帯がトレードマーク。最新ハワイ情報サイトHiscoop！≪ハワイスクープ！≫を監修

（2015.08.20 CAMPANELLAより転載）

文／田中しゅんすけ

CAMPANELLA［カンパネラ］

読者にビジネス情報を提供してきた日経BP社と、ビールを始め数々のお酒や飲料・食文化を創造してきたアサヒビールが一緒になり、「人生を豊かにするクリエイティブ力＝遊び力」が高まる話題をお届けします。仕事やオフに関わらず、話題の情報を発想の転換に役立つ情報を提供していきます。
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