(4)結婚と“女子の友情”

結婚と“女子の友情”~結婚・妊娠・出産……ライフステージの変化に左右される

 また「女子の友情」の性質にも着目したい。

 なぜなら女子の友情は、結婚や妊娠、出産といったライフステージに大きく左右されるものだからだ。

 男性同士は、競争心が働いていても共存することは可能だ。

 それに対し、女性は競争心あまって、異質なものとは共存できない生きものである、と筆者は考える。同質、同等の女子の友情が、安住の地なのだ。

 女子の競争は、やがて母となれば、子どもの成績や進学、就職をめぐって、長じて子どもの結婚、孫を持ったかどうか、と果てしなく続いていくもの。これについては母娘問題研究家として、また別の機会に記したい。

 10月7日に放映された『クロ女子白書』内でも、女子会で「独身でいると、どんどん友だちがいなくなっていく」という話題に。

 お互いに独身だったころには、わいわい夜遊びをともにし深酒できた友だちも、結婚すればそう簡単に夜家を空けるわけにはいかなくなる。さらに妊娠すればお酒も控えざるを得ないし、子どもが生まれたら生まれたで、子育てに手いっぱいで、遊びに行くどころか、電話でおしゃべり、なんてことすら気軽にできなくなっていく。

 女子会の話題を受けてスザンヌさんも「そうなんですよね。電話していても、途中で子どもがぐずったら切らなきゃってときもあるし」。

 独身女子から既婚女子の友人を誘っても断られることが増え、また独身女子としても友人の家庭のことを気遣って誘いづらくもなる、というのが現実だろう。

 またそもそも独身女子と既婚女子とでは、興味・関心の対象がまったく異なり、話題がかみ合わなくなっていく。

 独身女子は、既婚女子の「ダンナの愚痴大会」や「今夜の夕飯なんにしよう」「どこのスーパーで安い食材が手に入るか」を聞かされてもピンとこなかったり楽しめなかったり。  ましてや「子育ての情報交換」だの、近況報告と称した「わが子の成長自慢」「親バカ自慢大会」だのとなると、ついていけないのは無理のないこと。

 スザンヌさんも女子会の話に耳を傾けながら、この問題を「本当に30前後の女子たちのリアルな話ですね」とし、「私もすごく仲のいい女子7人グループがいたんですけど、そのうちの5人がおなじタイミングで結婚して。出産までおなじ時期だったんですよ」とコメント。

 おなじ時期に“結婚”という大きなライフステージの変化を迎え、さらに子どもの月齢も近いとなれば、5人の友情はますます深まることだろう。

 子ども連れで楽しめる友人が5人もいるなんてなんと幸せなことだろうと、親子で和気藹々と楽しむ女子たちの姿が目に浮かび、筆者も思わず頬をゆるめた。

 ただ気になるのは残りの独身組2人。番組内でスザンヌさんはこう続けた。「それで2人は独身のまま。その時期、2人はやさぐれてました(笑)」

 このように女子の友情は、ライフステージの変化とともに深まったり縁遠くなったりする。

 「だからね、私が離婚したとき、その独身の友だち2人がすごく喜んでいて“おかえり!”って」。「歓迎されちゃったんだ」と、MCのパンクブーブー・黒瀬純さんも思わず苦笑する。