自分にフィットする靴を見つけるための3つのポイント
さて、読者エディターの坂本宏子さんと大島絵里さん(いずれも仮名)の足に合う靴とは、どんな靴なのでしょうか?
靴を買うとき、“何センチ”というサイズ情報を頼りになんとなく違和感が少ないものを選ぶ…という人は多いはず。
「パンツを選ぶときには、ウエストだけでなくヒップや股下のサイズ感も見極めますよね。靴も同じで、サイズ以外にもチェックポイントがあるんですよ」と川端さん。
靴を選ぶときに知っておきたいポイントは、大きく3つ。
・ワイズ(足囲)
・つま先の形
これらは、足と靴の専門家であるシューフィッターさんに依頼すれば正確に把握できますが、ある程度は自分で調べることもできるのだそう。
3つのポイントをチェックするための方法は?
「サイズを測るときは、直線を引いた紙の上に足を載せます。カカトの中心と人差し指の中心が直線上にくるようにしてください。この状態で、カカトから一番長い指までの長さが足のサイズです」。
坂本さんのサイズを測ってみると、右22.9センチ・左22.5センチという結果に。右足のほうが靴擦れしやすいのは、左足と比べて大きいためだということがわかりました。
続いては、ワイズの測定。裁縫用などのソフトなメジャーを使い、親指と小指の付け根にある骨の出っぱりを通るようにクルッと一周させた長さを測ります。
大島さんは、右22.8センチ・左22.5センチ。JISに定められた基準によると、ワイズは“E”ということが判明しました。「厚みがある右足に対して左足は薄くて幅広。3ミリの差に加えて、形状にも違いがみられますね」と、川端さん。
最後はつま先の形。3タイプに分類され、一番長い指が親指の場合はエジプト型、人差し指の場合はギリシャ型、長さの差が少ない場合はスクエア型となります。例えばスクエア型の場合は他の型と比べ、ポインテッドトゥが窮屈に感じられることが多いそう。
このタイプ分けもまた、靴選びのヒントとなります。読者エディターの2人は、人差し指が長いギリシャ型だということがわかりました。
このように自身の足のサイズや形状を知ることが、しっくりと馴染む靴を見つけるカギになるのです。
サイズ選びとパッド使いで履き心地を追求
足のサイズや形状がわかったら、実際に靴を選んでフィッティングをしてみましょう。
「履いて歩くだけでなく、つま先立ちになったりしてカカトのフィット感を確かめてください。すぐに脱げるようならサイズが合っていない可能性があります」と川端さん。
23センチ・ワイズEのポインテッドトゥパンプスを試した坂本さんは、「カカトは問題なさそうですが、左足のサイドにすき間が空いて緩い感じがします」。
靴の状態をチェックした川端さんは、左の靴底にパッドを入れて調整。しばらく歩いて感触を確かめていた坂本さんは「左足がどんどん靴になじんでフィットしてきました。これまでは多少緩くてもそのまま履いていましたが、パッドを入れるだけでこんなに改善できるんですね」と驚いた様子。
「パッドの素材や厚みをきちんと選ぶと、さらに履き心地を追求できますよ。パッドは、必要に応じてカットして使うのもおすすめです」と川端さん。
大島さんが選んだのは、ストラップ付きのオブリークトゥパンプス。つま先部分がぽってりとした形をしているのが特徴です。
まず履いてみたのは、23センチ・ワイズE。さらに2Eも試したうえで、ワイズEのほうがしっくりくることがわかりました。
「つま先がシャープなデザインのものが好きなので、小指が痛くなることも多いのですが、この靴はすごくラクです」と大島さん。
川端さんは「指が痛くなるのは、サイズが大きすぎるせいかもしれません。足をしっかりとホールドできないので前にすべってしまい、つま先が窮屈になるんです」とアドバイス。
指が痛くなると「もっと大きなサイズにすれば良かった」と思いがちですが、実際にはさらに小さなサイズを選ぶべきケースが多いのだそうです。
読者エディターの2人は、「サイズ選びやパッド使いを覚えるだけで、こんなに履き心地が変わるなんて!」「自分の足のことをよく知らないまま靴を選んでいました」と感心しきり。
おしゃれのために痛くてもガマン…はもう卒業。ほんの少しの工夫で、ストレスフリーに靴を楽しめるようになるということを体感しました。
取材・文/西門和美