いま日本は、第7次ワインブームの真っただ中にあるのだそう! これまでにも国内では、初物好きの日本人の心をとらえたボジョレー・ヌーボーブームや、ポリフェノールの効能に注目が集まった赤ワインブームをはじめ、数々のブームが到来。そのたびに愛好者を増やしてきました。そして近年、ますます熱を帯びつつある第7次ブームの正体は「日本ワインブーム」。今回は、六本木にある「シャトー・メルシャン トーキョー・ゲスト・バル」で、日本ワインの魅力に触れてみました。

海外からも高評価を得る“日本ワイン”、その上質さの理由は?

 そもそも「日本ワイン」とは、どのようなワインを指すのでしょうか。読者エディターの吉本みのりさん(仮名)と吉本さんの友人とともに「シャトー・メルシャン トーキョー・ゲスト・バル」を訪れ、マネージャーの寺中憲由さんにたずねてみました。

「シャトー・メルシャン トーキョー・ゲスト・バル」は、ワインブランド「シャトー・メルシャン」の直営バル。六本木一丁目駅直結というアクセスの良さもうれしい。
「シャトー・メルシャン トーキョー・ゲスト・バル」は、ワインブランド「シャトー・メルシャン」の直営バル。六本木一丁目駅直結というアクセスの良さもうれしい。

 「日本産ブドウ100%でつくられたものが“日本ワイン”と呼ばれます。“国産ワイン”と混同されがちですが、ここには海外産の輸入ブドウで生産されたものが含まれます」と寺中さん。

 では、日本のブドウのみで醸造された日本ワインは、海外産のワインや国産ワインとどのように違うのでしょうか。

 「日本のブドウ生産者は、ずばぬけて職人気質。気候風土に合わせた育て方や収穫時期の見極めなどを徹底的に追求するから、ブドウのクオリティが高いんです。ワインの品質はブドウのポテンシャルによって決まるとされ、“ワインづくりは農業だ”とも言われています。つまり日本ワインの上質さは、日本のブドウ生産者のハイレベルさによって保たれていると言えるでしょう」(寺中さん)。

マネージャーの寺中憲由さん。各テーブルをまわって着々とワインをサーブしながら、日本ワインの魅力について聞かせてくれます。
マネージャーの寺中憲由さん。各テーブルをまわって着々とワインをサーブしながら、日本ワインの魅力について聞かせてくれます。

 シャトー・メルシャンのワインもまた、国内の自社畑で丹念に育まれたブドウを使い、手間暇かけて醸造されています。日本ワインの信頼度は、妥協を許さないブドウ生産者たちのこだわりによって、ブームを巻き起こすまでに高まったというわけです。

 「日本産のブドウを使うメリットは、他にもあります。輸送の時間を大幅に短縮できるため、風味が劣化していない採れたてのブドウで醸造できる。それゆえに、フレッシュな味わいを実現できるんです」(寺中さん)。