Ushico/PIXTA
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 こんにちは。弁護士・宅建士合格者で、資格カタリストの鬼頭政人です。

 住宅に潜むトラブル――。前回(もしも住んでいるマンションが傾いたら…。住居トラブルQ&A)は、トラブルが起きた時の対処法についてご説明しましたが、ご覧いただけましたでしょうか?

 今回は、トラブルを避けるために、家を借りる際に気を付けていただきたいトラブルの事前防止策についての話をお届けいたします。

 生活の基盤となり、多くの時間を過ごす部屋は、とても大切な存在です。もしも部屋が「帰りたくない空間」に変わってしまったら、それは非常に悲しいことです。自分の癒しの場になるような素敵な空間を手に入れるためにも、契約前にしっかりと重要ポイントを押さえていきましょう。

<防止策1>
ちょっと待った! その物件、建築年月日はいつですか?

 建築基準法の耐震基準は、地震によって改訂されてきました。その大きな節目と言われているのが、1981年と2000年です。1981年には新耐震基準が施行され、耐震基準が「比較的よく起きる中程度の地震に対し、軽度なひび割れ程度」、「まれに起きる大地震に対し、崩壊・倒壊しない程度」という内容に改定されました。現に1995年に起きた阪神淡路大震災では、1981年以前建築の建物に被害が集中したと言われています。

 そこで、まずは建築年月日を調べることで、どちらの耐震基準で建築されたのかを把握することができます。ただし、法律が施行される前であっても地盤や構造がしっかりしている物件は問題ありませんので、旧耐震基準だから絶対にダメだ、ということではありません。

※建築年月日を調べる際には、「建築確認」をいつ受けたかを確認してください。建築確認を受けた後に工事が着工する形となり、この確認日の年月日で適用される法律が定まります。

 建築確認が1981年の新耐震基準施行後であれば、ひとまず耐震基準はクリア。旧耐震基準の場合は、直近で耐震診断を受けているかなど、「耐震強度がどの程度のものなのか」という裏付け資料があるのかどうかを調べてみましょう。