気楽に断れる相手が、本当の友達

蛭子:若い人ほど友達を増やしたいって人は多いみたいですけど、その一方で自由が束縛されているって感じている人も相当いると思いますよ。だから今はみんな、どっちがいいか迷っているんじゃないかな。ひとりでいる方がいいのか、友達がいっぱいいた方がいいのか…。

編集:蛭子さんご自身は、ひとりの方がいいと仰ってますよね。

蛭子:友達がたくさんいると、その人たちから誘われた時に断るのが嫌なんですよ。だから行きたくない時は行かなくていいけど、友達関係は崩れない、そういう関係はいいなと思います。友達に誘われたら必ず行かなくちゃいけないってなると、ちょっと窮屈ですよ。

編集:『蛭子の論語』の中で、仲良くできそうな人かどうかは「顔」で判断するとありました。蛭子さんが考えるいい人そうな顔の人を書いていただけないでしょうか。

蛭子:いいですよ。(スラスラ)こういう、八の字眉、下がり眉の人は近寄っても安心な気がしますよ。

こういう顔の人は、近寄っても安心。
こういう顔の人は、近寄っても安心。

 逆に苦手な人はこういう…(スラスラ)骨格がシャープな感じの、キャリアウーマンっぽい感じの人ですかね。

こういう顔の人は、ちょっと避けたい。
こういう顔の人は、ちょっと避けたい。

編集:なるほど…。では奥様も困り顔っぽい感じのお顔ですか。

蛭子:そうですね。顔はすごく好みでした。18歳下で今50歳ですけど、歳の割にはすごく若いです。なにしろ嫁さんは毎日「マイクロソフト」飲んでいますから。

編集:たぶんそれは「マイクロダイエット」ですかね。あと本書を読んで意外に感じたのが、これだけひとりを尊重されている蛭子さんが、ご結婚されているということです。

蛭子:俺、一番大事にしているのは子どもじゃないんです、嫁さんなんです。特に夫婦は最も仲の良い関係であるべきだといつも思っているんですよ。友達はいなくても平気なんですけど、やっぱり奥さん、家族は大事だと思います。

金を稼がない男は、その他のことにも問題がある

編集:現在結婚8年目ということですが、夫婦円満の秘訣はなんでしょうか。

蛭子:やっぱり女房の好きなようにさせることに尽きますね。俺がなにか言ってもその倍で返してきますから、もうなにも言わなくなりました。

編集:懐が深い…。私も蛭子さんのような旦那さんが欲しいんですが、まったくいい人が見つかりません。蛭子さん流の、いい男の見分け方を教えてください!

蛭子:まず仕事をしているかどうか聞いた方がいいんじゃないですかね。ヒモみたいな男とばかり付き合ってしまう人もいるみたいですけど、そうしたら自分が苦労するのを最初から覚悟していくべきですよ。まあ、でも俺は絶対別れると思いますけど…。稼がない男はお金がないだけでなく、人間性も疑われるところがあると思うんです。

人の本当の気持ちなんて、わからなくて当然

編集:本書を読んでも思ったのですが、蛭子さんの言葉は飾りがなくて率直で、非常に心地いいです。だからこそ今、皆が蛭子さんを必要としているんだなと思いました。

蛭子:自分では、世渡り上手だなとは思います。人と争わないですしね。でも心の中で「あいつ嫌なやつだな」って思っている人は一杯いますよ。でも、思うだけならいいじゃないですか。だって、人の本当の気持ちなんてわかんないもんね。だから対人関係もなるべく悪い方に考えておけば、なにか起きたとしても小さな痛みで終わることができますよ。

 だけど、本当は仲の良い友達が何人かいるといいのかもね……って言ったら、『ひとりぼっちを笑うな』を否定するみたいになっちゃうかな。エヘヘ。