目標を小さく分解してみよう

 なぜ「使いこなせない」問題が毎年出てくるのか。それは「使いこなす」という言葉自体がモヤモヤして、大きくて曖昧すぎるからです。漠然と「使いこなそう」と思っているだけだと、どこまでやれば目標の何パーセントまで進んでいるかが見えないので、いつまでたっても達成感を感じることができないのです。

 「今日はこれしかできなかった」とがっかりするのも、「今日はこんなにできた!」と嬉しくなるのも、言葉の定義づけにかかっていると言っても過言ではありません。できる自分になりたかったら、「できる」の定義を自分自身で決めていきましょう。

目標を「数字で」「具体的に」考えてみよう

 では、どのようにして定義を決めていけばいいのでしょうか。ポイントは「数字で」「具体的に」考えてみることです。手帳を使いこなして何を実現したいのか? というところまで深く考えていきましょう。

 例えば手帳で勉強習慣をつけて、とある資格を取って活躍したい。ゆくゆくは会社を辞めて、資格をもとに食べていきたい、という気持ちがあるとしましょう。その場合は、次のように考えてみるところから始めましょう。

◎ 自分にとっての活躍とは何か?

◎ 資格で本当に食べて行けるのか?

◎ 実際に食べて行くためには月にいくらの収入があればいいのか?

◎ 資格を取ったほかの人が、その後どのくらい活躍しているのか?

◎ 資格を取った前と後で、どの程度の収入の増加が見込めるのか?

 その上で、ひとつひとつを実現するために、手帳をどうやって活用していくか、時間をどう捻出していくかを考えていくのです。

 手帳を使って早寝早起きができるようになりたい!という場合は、次のように考えてみましょう。

◎ 早寝早起きができるようになった結果、何が欲しいのか? 健康な身体か? ひとり時間か?

◎ 健康な身体が欲しいなら、運動で実現するか? 食事で実現するか? 両方をバランス良く行って実現するか? 適性バランスは何パーセントだと仮定するか?

◎ ひとり時間が欲しいなら、時間を取られてしまっていることの中で何をやめればいいか? やめたくないなら効率的にするためにどうすればいいのか?

 また、手帳に起床時間や朝することを書いて、早起きを成功させたい!という気持ちなら、自分にとっての「早起き成功」とはどういう状態かを、数字で具体的に決めてしまいましょう。

◎ 1週間のうち5日目標起床時間起床すれば成功か?

◎ 目覚まし時計なしに、決まった時間に3日連続起床できれば成功か?

◎ 月2回、朝活関連の集まりに参加できれば成功か?

 このように、最初の定義付けをきちんとしておくと、たとえ手帳が真っ白になった時があったとしても、理想の状態に近づいていれば焦ることもなくなります。