タイムマネジメントのプロ・池田千恵さんによる「夢が現実化するアナログ手帳活用術」の最終回。今回は「ぼんやりとした希望的観測は、書き出してリアルな予定に変えていこう」をテーマにお届けします。

 こんにちは、池田千恵です。今回4回シリーズでお伝えしている「夢が現実化するアナログ手帳活用術」では、アナログ手帳を使って自分と向き合い、夢を現実化する方法に焦点を当て、具体的手法を紹介しています。

 「朝活の人が書く手帳術だから、早起きしないとダメなの?」――いいえ、ご安心ください。早起きは目的ではなく手段。早起きしたい人はすればいいし、できない人はしなくてもいいのです。大切なポイントは、ひとり静かに自分と向き合う時間をいかに作るか。そのためのツールとしてアナログ手帳をどう使いこなしていけばいいかをお伝えしています。最終回の今回は「ぼんやりとした希望的観測は、書き出してリアルな予定に変えていこう」をテーマにお届けします。

第1回 今ここから! 2016年は大事なことに時間を使える環境を“手帳”で整えよう
第2回 デジタル全盛だからこそ、人とではなく自分とつながる
第3回 「使いこなせない」を防ぐ、手帳記入の最初のルール」
第4回 ぼんやりとした希望的観測は、書き出してリアルな予定に変えていこう

妄想も書き出せば「予定」への第一歩となる

 前回は「手帳を使いこなせない」と悩んでしまう理由と、「使いこなす」の定義付けをいかにするかについてお伝えしました。今回は自分なりの「使いこなす」が分かったとき、それを手帳にどう予定として落とし込んでいくかについて紹介します。

 「今から街を眺めて赤いものを数えよう」と気持ちを切り替える。すると今まで全く気づかなかったのに、急に赤い服の人や赤い車が目に飛び込んでくるようになった。そんな話はどこかで聞いたことがあるでしょう。

 「こんな情報が欲しい!」と意識して日々を過ごすだけで、アンテナが立ちます。目にする情報がすべてメッセージのように、他の情報をすり抜けて目や耳に飛び込んでくるようになります。そのためには、ぼんやりとした願望よりも具体化したものをイメージしておいたほうが、より求めることのヒントを得ることができます。具体的にイメージができたら、毎日目にする手帳に願望を書き出しておくことでより日々の願望を意識することができます。

 この連載で繰り返しお伝えしているように、アナログ手帳は「自分とつながる」ためのツールです。別に他の人に見せる予定を書いているわけではないのですから、たとえ実現の可能性が低いと思うことでも、やりたいと思ったことは自由に書き出してみましょう。書いて視覚化できるようにすると、そこに到達するための具体的な方法が浮かびやすくなります。

「予定」→「妄想」の順でなく「妄想」→「予定」がポイント

 記入するときのコツは、予定ありきの妄想ではなく、まずは妄想してから妄想を現実化するために予定を立てるということです。

 つまり、今の延長線上であり得る将来の願望を書かずに「こんなの絶対無理でしょ?」と今の段階では思ってしまうくらい、ぶっとんだ妄想を最初に書いてしまうのです。

 最初から限定された条件で思考するのに慣れてしまうと、「自分ができるのはこんなもんだ」「自分の稼ぎ力だとこのくらいが適当だから」といったように、制限つきでものごとを考える癖がついてしまいます。その枠をまずは取り払いましょう。取り払ったあとに出てくる願望、それがあなたの本当の願いだったりするのです。

 もちろんその願望がその通りには叶わないかもしれません。でも「自分にはこんな願望があるんだ」ということをまず意識し、アンテナを立てるようにするのです。そうすることで、「無理」と思って今まで目に入ってこなかった情報に気づくようになり、願望への道筋をつけやすくなります。自分ひとりでは無理な願望でも、助けてくれる人が現れることで実現できる可能性も高くなります。