Q3 ジカウイルスに感染するとどうなりますか?

 ジカウイルスを保有する蚊に刺されたとしても80%の人は無症状です。

 症状が出る20%の人も重篤にはならず死者は報告されていません。デング熱やチクングニア熱と同様、蚊に刺されてから2~7日後に発熱、発疹、関節痛が表れます。目が赤くなる結膜炎を起こすのが特徴です。

 デングウイルス感染症の一部は重症化し血圧が低下することがありますが(重症デング)、ジカウイルス感染症はそのようなことはありません。アセトアミノフェンなど解熱鎮痛薬で症状を緩和させる治療を行います。ウイルスに直接作用する特効薬はありません

Q4 「小頭症」が話題になっていますが、ジカウイルス感染症との関連性は?

 危険な病気ではなさそうなジカウイルス感染症ですが、2015年5月から大規模なジカウイルス感染症の流行が起きたブラジルで奇妙な現象が起こりました。ジカウイルス感染流行地の妊婦から生まれた子どもで小頭症が通常の20倍に増えたのです。そこで、「妊娠中にジカウイルスに感染した母親から生まれた赤ちゃんが小頭症になったのではないか?」という仮説が生まれました。

 その後の研究で、11月15日に小頭症と診断された赤ちゃんの羊水からジカウイルスの遺伝子が検出されました。また11月28日には出産後に亡くなった赤ちゃんの血液などからジカウイルスの遺伝子が検出され、ブラジル政府はジカウイルスと小頭症の関連性があると発表しています。

 本当に関連性があるのかどうかは、さらなる研究結果を待つ必要があります。しかし、現時点において小頭症のリスクのため妊婦や妊活中の女性は、ジカウイルスの感染を避けるべきであると考えられることから、WHOは「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態」を宣言したのです。