消化吸収だけでなく、美肌や免疫にも深くかかわり、若さと健康を保つカギであることが明らかになっている「腸」。女性の不調に詳しい小林メディカルクリニック東京の小林暁子院長に、腸を元気にする秘訣と、腸内細菌と健康とのかかわりについて伺った。

小林暁子院長
小林メディカルクリニック東京(東京都港区)
2005年にクリニックを開設。順天堂大学の総合診療科での経験をもとに、内科・皮膚科・女性専門外来を含めた総合的なアンチエイジング治療を行う。便秘外来では1万人以上の便秘患者の治療に携わる

現代女性に増加する腸や婦人科系のトラブル

 「若い女性の間で、慢性の便秘やストレス性の腸炎など、腸にトラブルを抱える人が増えている」と話すのは、小林メディカルクリニック東京の小林暁子院長。
 腸の働きが落ちる一因に加齢やストレスによる善玉菌の活性や数の低下がある。
 「本来、若い人は腸内環境がそれほど悪化しないはず。だが、この世代にも腸トラブルが増えているのは、過度なダイエット、朝食抜きや夜遅くの食事、加工品のとりすぎなどの乱れた食生活や、慢性的なストレス、睡眠不足などが原因。腸と自律神経はつながっているため、ストレスを受けると蠕動(ぜんどう)運動が低下して便秘も起きやすくなる」。

 腸内環境が悪化して“有用菌”より“悪玉菌”が増えると、有害物質が作られて肌荒れの原因になるし、免疫力も落ちる。つまり、腸の健康は女性の体調を測るバロメーターなのだ。

 同時に、「増えているのが婦人科系の不調」と小林院長。
 「月経痛や月経前症候群(PMS)に加え、20~40代前半という、まだ女性ホルモンの分泌力がある年代なのに月経が止まって更年期のような症状を訴える人も多い。これらもストレスやダイエット、悪い食生活などが原因。こんな人は腸のトラブルを併せ持つことが少なくない」。この場合は腸のケアを行い、不足しがちな栄養素を補うことで症状が改善することが多いそう。
 「腸が整うと女性ホルモン分泌の指令もうまく出るようになるからか、婦人科系の不調の改善も早まることが多い」。

腸の調子が悪いとこんなトラブルが
腸の働きが悪くなると便秘がちに。脂肪をため込みやすくなり、腸にたまった有害物質が肌荒れの原因に。また腸内環境が悪くなると免疫機能が低下し、病原菌やがんなどに対する防御力が落ちる、ストレスにも弱くなることなどが分かっている