―― どんな漫画を読んでいたのですか?

世古口 『ONE PIECE』です。主人公のルフィは最高です。仲間を大事にできるし、目標は絶対にぶれないし、どんどん強くなっていって、一つひとつ壁を乗り越えていく。一つの場所にとどまらず、どんどん別の場所に冒険しにいって、ワクワクすることを探しにいくというスタンスなので、それは人生で絶対大事だなと今でも思います。

―― 漫画から得られるものは大きいですよね。中学、高校生のときもとがっていたんですか?

「やっぱり自分は映画が好き」と俳優の道へ

世古口 そうですね(笑)。普通に学校行って、普通に部活して、友人と遊んで、恋愛して、ゲームして……。「自分は誰でもできることをやっているな」と感じていました。勉強も部活もやる意味が分からなくて、つまらなくて、身が入りませんでした。周囲もきっと「なんだこいつ」と思っていたと思います(笑)。

―― 一人で考える時間が長かったのですね。

世古口 ずっと、自分は「何のために生まれたんだろう」と考えていました。「何かないかな」っていうふうに探して、たどってみたら「やっぱり自分は映画が好きだったんだ」と思い、俳優を目指すことを決めました。

「自分は映画が好き」と思い、俳優を目指すことを決意した世古口さん
「自分は映画が好き」と思い、俳優を目指すことを決意した世古口さん

 後編では家族に猛反対を受けながらも俳優を目指し、学業と両立させた過去やオーディション秘話、癒やしになっている音楽、これからの目標などを教えてもらいました。

取材・文/齋藤有美 写真/鈴木愛子 撮影協力/Café& Deli GGCo. 城山

後編「世古口凌 大学中退、コンプレックスも俳優業の糧に」では、次のストーリーを展開

■「俳優になりたい」両親から猛反対
■「後から笑い話にすればいい」
■けんかを売るかのように挑んだオーディション
■身長がコンプレックスだった
■SMAPの好きな曲
■「俳優として恩返しがしたい」